おとめ妖怪さくら餅
並盛中学校の屋上。
雲雀が獄寺の口から煙草を奪ったその時、巨大なリスが現れた。
「げっ」
顔だけ外に出た着ぐるみ姿を見て、獄寺はさっさと意識を手放す。
「邪まな目で隼人を見ないで。」
ひゅん。リスが桜餅を投げつけてきた。
ぶしゅわわわっ。
トンファーで払い落されたそれは、いやな音をあげてコンクリートを溶す。
ひゅん。ひゅん。
しゅわわわわっ。しゅわわわわわっ。
獄寺にあたるのもお構いなしだ。
避けるのはさして難しくないが、トンファーの先が溶けだしている。
「ワオ」
雲雀は獄寺を肩に担いで戦線を離脱した。
応接室へ逃げ込んで、鍵を下ろす。
風紀委員会の資金で、中性子爆弾の直撃にも耐えうる構造にリフォームされているのだ。
「ちょっと凄いね」
ソファに寝かせた獄寺にブランケットを掛ける。
「・・・ク・クッキー・・・いらない・・」
うなされる獄寺の気持ちが理解できたと思ったその時。
「ポイズン・クッキング。溶解桜餅。」
しゅわしゅわしゅわ。
白煙のむこうにリスが立っている。
これが雲雀が桜餅クラ病に罹患した顛末である。
2009/02/20頃
溶解さくら餅はトンファーも溶かします。