ねこじゃらしの法則
 
 山本は修行の合間に菜園に行った。
 山本も子猫の瓜をかまいたいのだけれど、いつも誰かしらが先に遊んでいて、
いつになっても順番が回ってこない。
 けれど、地下基地は物資が不足していて、猫に玩具を作って与えようとは、
まだ誰も考えてついてはいないようだった。
 山本は、我ながらいい目のつけどころだと思った。
「猫にはやっぱり猫じゃらしだよな。」
 菜園の片隅には、ふわふわの房が揺れていた。
 ランボの巻き毛のおかげだ。
「えいやっ」
 山本は摘み取った猫じゃらしで型を決めた。
 

 その頃、隣接する財団側の菜園では、草壁がキウィの苗を植えていた。 
 キウィの木は弱いので、近種でより強い木に接木をして育てる。
「恭さん、キウィがお好きでしたか?」
 黒い着流し姿の雲雀がふわわとあくびする。
「うん。」
 


キウィはマタタビに接木してあるのです。

2009/03/20頃

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